I STARTED HIKING #9 南アルプス 甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根

 

 

 

#9 南アルプス 甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根

 

 

【前回までの話のまとめ】

水晶岳に行く為に山に登り始めた僕は、丹沢を色んな形で歩いた。人と行ってみたり、一人で行ってみたり。初めての一人登山は、結構せっかちなスピードで歩いたが、結果それが自分にとっての山の魅力をさらに高め、歩くスタイルを追求し始めるきっかけに。

 

そして、前回ブログに書いた箱根に行った後からの僕の山登りは、歩く距離をすんげえ伸ばした。

神奈川県民しかわからないかもしれないけど、宮ヶ瀬湖から山に入って秦野駅まで行ったりした。新松田の方から山に入って山中湖まで行ったりした。正確にはのんびりしてると日が暮れるから早歩きして、いけるところは走った。結局早く歩くほうが効率が良いし、それは自分にとって山での安全対策の一つになることも確信した。そしてこのままスピードハイクという世界にハマっていく

 

なんだかんだ、色んな経験や体験を得て来たのだが、その様子とかは全部省略。

そして時は7月。

箱根に一度行っただけであとは丹沢ばかり登っていた僕が、丹沢以外の山に挑戦するときがついにきたのである。僕が初めて山に登ったのは秋だった。その登山を機に、「よし水晶岳を目指して山に登ろう!」と決心したんだけど、その時にはもう大きい山には雪が積もっていたため登れなかった。だから僕は雪が溶けるのをずっと待っていた。雪があまり積もらない丹沢の山を歩き回りながら待っていた。そしてその期間に初めての大きい山は何処に登るべきかも考えていた。

 

 

初めての大きい山へ

自分は、どこの大きい山に登りたいか?っていう候補を出すための考え方のパターンはいくつかあった。まずは初心者向けと言われている山を選ぶ方法。でも調べた限り初心者が登りやすい山とされる場所は、景色が綺麗とか、短時間で山頂まで行けるとか、、、水晶岳に行くための練習登山としか思っていないこの時の僕にはどれもこれもがただの遠足に見えた。そうなるとあまり興味がないので行くのも面倒臭いし、時間も金も使いたくないので、この方法は無し。とか色んなことを考えてみたけど、僕はあるとき気付いてしまった。登山をやってる人たちが「ここはキツい!」って言ってるところに行けば良いんだ。最初からそれを登ってしまえば"絶対的な自信を得られるに違いない!"って思った。アホといえばアホ。そして選んだ山は、

 

"甲斐駒ヶ岳"という山を

黒戸尾根から登るというルート。

 

黒戸尾根を登るには問題がいくつかあった。今回登る甲斐駒ヶ岳は南アルプスにある2,967mの山。そもそも当時の僕は丹沢最高峰の蛭ヶ岳1,673m以上の山に登ったことがなかったけど、僕が問題にしていたのは標高じゃない。黒戸尾根ってのはスタート地点から山頂までの往復でだいたい17kmぐらい。しかし問題は距離でもない。んじゃ問題は何か?それは時間の方で、往復15時間と地図(山と高原地図)に記載されていたところにあった。登る予定の日の甲斐駒ヶ岳の日の出は4時32分日の入は19時14分。朝4時過ぎから空は少し明るくなるとしても、夕方には山の中は暗くなるだろう。4時から16時まで使ったとしても12時間じゃん。往復15時間かかるなら時間足りないじゃん。暗くなっちゃうじゃん。こんなデカイ山で暗い中を歩くのってどうなんだろう。。。怖っ。

 

そしてもう一つの問題は、黒戸尾根が日本三大急登に選ばれているほど急な登りだということ。もう未知過ぎてこれは考えても仕方がないかもしれない。それから標高差が、、、あとは必要な道具が、、、怪我したときは、、、えっとエスケープできるルート、、、それから、、。問題は沢山あったけど書くの面倒だし、読むのも面倒だろうから、もう当日の話をしようじゃないか。問題の解決方法は個別にしていつか書きたいと思う。

 

 

甲斐駒ケ岳 登山口へ向かう

甲斐駒ケ岳に行く前日の話。

さあ、自分は何時に出発したらいいのか?

 

これは逆算して考えた。4時に黒戸尾根を登り始めたいから、現地に3時半に着きたい、、んで、自宅から登山口までは夜中だし2時間あれば行けそうだから1時半に家を出て、、、あ、でも途中でコンビニとか寄るから1時には家を出よう、、そんで最悪15時間とか歩く羽目になるかもしれないから8時間ぐらいは寝てから出発したいから、夕方17時に寝よう!

 

そして毎日夜更かししている中年が17時からなんて寝れるわけもなく気付けば20時。少し寝てはみたものの23時に起床。そして待ちきれなくなった僕は、もう行っちゃお♪ってなって、車を走らせてから5分でやっぱ早すぎじゃね?ってフライングしすぎの自分にちょっと引く。そんで結局、時間早いからってバカみたいに高速使わないで甲斐駒ケ岳を目指す。そんなバカみたいなその頃の自分に対して、このブログを書きながら引く。そして途中甲府でラーメンを食べる。知らない土地でご飯を1人で食べる寂しさと、これからデカイ山に初めて登る緊張感も合わさって背中から哀愁でも漂っていたのだろう。知らないおじさんに替え玉無料券を貰う。それから変てこりんなトラックの休憩スポットみたいなところに寄ってみたりしながらのんびり向かったんだけど、登山口に着いたのは3時過ぎ。もうライト付けて行こうかな? でもなー。。。。

 

雨降ってんだよなー(泣)

 

 

そして車でうだうだ。あ、少し小降りになったなー。雨が霧みたいになってきたかな?でもこれ行って良いのかなー?そもそも大きい山登ったことないしなー。判断の仕方がど素人極まりない自分を信用は出来ないよなー。自分にGO出していいのかわからない。。なんて考えてるフリして、寝不足の僕は今更少しウトウト。さあどーするか。。。あ!?

 

 

もう5時じゃん(泣)

 

 

↑少しお茶目な寝癖をつけた僕は、慌てて出発する。

スタート地点に架かっていた橋。

せっかく来たし一旦登ってみよう。

そんでダメそうなら引き返そう。

目標は往復12時間以内。

ひとまず頑張る。

 

つづく。

 

 

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