#4 丹沢山への縦走・・縦走って何?
前回の続き。
大倉尾根を夢中で登り塔の岳に着いた。
そして僕たちは立ち止まらず、丹沢山までの縦走を開始した。
↓前回の記事はこちら
塔の岳から丹沢山への縦走
さあ塔の岳から丹沢山に向かう。そもそも「縦走」ってなんだ?って人の為にまた説明してみようと思う。 縦走こそ登山の醍醐味とすら言ってる人も結構いるし、確かに気分は最高なので僕もおすすめしたい。
↓だから、より正確に書くとこうなる。
ではカッコ良く言ってみましょう♪
リピートアフターミー。
「俺(私)、塔の岳から丹沢山まで縦走するんだよね。」、、、はい、そうです。「塔の岳から丹沢山までの縦走も気持ちいいよな!」、、、その調子です。「久々に塔の岳から丹沢山まで縦走でもしてーなー。」完璧です!なんとなく伝わるでしょ?上の図でもわかるように、塔の岳から丹沢山までは「山の中」というより「山の上」を歩いてる感じになる。だから周りの山とか空とかも沢山見える。それはそれは新鮮な景色だった。
景色よりも目的に突っ走る
でも初登山の僕は、景色よりも丹沢山に到着することだけに全力集中していた。と言うのも、そもそも丹沢山に向かっているのは水晶岳登頂の為だから、もう頭の中ではこの丹沢山への道中も、水晶岳に向かっている途中みたいな感覚だった。丹沢山にとっとと行く、そしてとっとと帰る、その後とっとと他の山にチャレンジする。もはや、せっかちとしか言いようがないが、水晶岳に行くと決めたからには絶対に行きたい。必要であろうやるべき事はとっととやってみて、そこから課題を出す。それを改善してまた実行。どんどん次に進むっていうスタンスだ。のんびり楽しくやりたい人にはかなり面倒なやつだろう。僕のこの考え方は自分で自分の首を絞めて本当に苦労する時がある。でも周りの人のおかげで年々色んな状況を楽しめるようになってきてる実感もあったりする。僕に関わってくれる人間は本当にいつも優しい。
山の挨拶
このころから一つ、面白いなーと思っていた事があった。山で人とすれ違う時「こんにちは」って挨拶をする。他人との関わりが減ってきているこの時代に、たまたますれ違った全く知らない人に「こんにちは」って言う。まあ挨拶するだけならなんてことはないんだけど、心が折れていたり、雑念だらけの人以外からは、ほぼ100%返事が返ってくる。ここがいい。全く知らない人に「こんにちは!」って言ったら、「こんにちは!」って。妙に新鮮で楽しかったので「こんにちは」って言いまくった。この日の僕は、神奈川県で一番「こんにちは」って言った男だったであろう。そんな自負は、いつの間にか自信に変わっていくことになる。
↑こんな道を歩く。気分がいいので疲れは全くない。
↑正面に急な登りが見えて来る。 この時点から、うわ。キツそう。。なんて思ったら最後、不思議な事にそれは現実になってしまう。先にそんなことを考えると、この時点からもう登りが始まってるのと同じ精神状態になってしまって、テンションが下がった状態でこの急な道を登り始める羽目になるからなのかもしれない。結局、あの上まで簡単に行く方法は至ってシンプルで、あの上まで行く覚悟だけすればいい。全ての行動の結果は自分の心が決めることに気付いた。
↑キツいキツいって考えてると登山は本当にキツくなる。 色んなものを見て気をそらしてもいいから、気持ちを前向きにして歩かないと地獄の旅になる。
↑下ったら登る。当たり前の事だから気にしない。 なんでもそう。
↑こんなに曇っていても気分が良ければ素晴らしい景色になるっていう。そんな簡単なことが山にはあった。 写真の奥の方の山は、肉眼で見ると水墨画のように見えるんだけど、これは山では何も珍しい事ではない。
↑そしてサクッと「丹沢山」に到着。 初の登山で来た山だから今でもお気に入りの場所。 ここには「みやま山荘」っていう山小屋がある。 小屋の人はみんな良い人。そしてここは丹沢山地では唯一の「日本百名山」。
いやー清川村、良い山持ってんなー。
んで驚くのは写真がこれで最後ってこと。。。 水晶岳に行くことしか考えてないから山頂での記念撮影すらしていない。そして帰りは走った。気力がまだまだ残っていたので走った。 もう目的は果たしたので、とっとと帰ってお風呂に入りたかったのだ。友人Kも走った。なぜなら彼も早く帰ってお風呂に入りたかったからだ。そして帰り道に僕は思う。「・・・山に登る人達は間違いなく心が強いはず。水晶岳に登頂する頃には僕も強くなっているんじゃないだろうか?」と。こんな流れで初めての登山を終えると、僕は元気になった。こんな変な遊びを教えてくれた友人Kには、今も感謝している。そしてこの時から僕は、山に登る人達を尊敬している。