丹沢の道を歩く。 #愛川町の大峰(328m)での敗退

 

 

 

愛川町の大峰(328m)での敗退

 

 

今回の記録内容とBGM。

今回は愛川町へ。富士居山(253.1m)、向山(375.7mGeographicaにて計測)、大峰(328mGeographicaにて計測)、の3つの山を目指した記録。

 

今回のルート。

馬渡橋→富士居山→向山→大峰→向山→富士居山→馬渡橋

 

 

わたくし、さとうだいすけ。

この記事のBGMはこれじゃないかと思っています。 

 

 

愛川町の友達に教えて貰ったから愛川町のBGMにするというわかりやすいやつです。

 

Khruangbin

SET LIST "Maria También" "August 10" "White Gloves"

※歌がないので山に行った日の夜や、談笑のBGMには最高のグルーヴです。

まずは、愛川町をフラフラと歩く。

2019年9月が終わる頃、僕の愛車 "ラジコンみたいな車" で神奈川県愛川町に向かい、馬渡橋という橋の下の河原にその車を捨てた。そう、車を河原に捨てるという前代未聞、極悪非道の不法投棄だ。それから僕はそこを出発し、山に登ったあと、またここに戻ってくる。その時にまだ "ラジコンみたいな車" がここにあったら僕はそれを拾い、乗って帰る予定だ。

 

こんにちは。大悪党さとうだいすけです。

 

車を捨てた僕は、まだ夏の湿気を帯びている風が吹き「三増合戦まつり」という旗(読み方は知らない)がパタパタなびく愛川町のなだらかなアスファルトの道路を登っている。あたりにはどこからか聞こえてくる祭りの練習と思われる太鼓の音も聞こえてくる。僕はこの道をフラフラと歩き、富士居山(読み方は知らない)への登山口を探していた。日曜の午後、リュックを背負った中年が、太鼓のリズムと共に畑や民家の間をキョロキョロしながら移動しているってことだ・・・怪しい。これは非常にあやしい。人によっては僕を泥棒だと思っていたかもしれない。

 

↑穏やかで気持ちのいい愛川町の道路

 

 

そしてようやく見つけた偽物の登山口(自分で勘違いして勝手に登山口と思っただけ)を見て、こんなジャングルみたいなところから入るの!?

やばい、半ズボンで来ちゃった・・・としばらく凹んでいたが、念のため先を確認しに行くと本物の登山口と思われる階段があった。助かった。足がズタズタになるところだった。登山口の付近にはこのあたりで良く見かけるオレンジのベストを着た人達が沢山の犬を連れている。いつもこの犬達と何かしらの獣と戦っているのか、退治しているのか、虐めているのかわからないけど、なんせ敵に回すとヤバそうな犬だったので目を合わせないように抜き足差し足で進む。この時の僕の見た目はもう、泥棒だっただろう。

 

↑登山口付近からの景色

 

 

今回のルートみたいに人があまり通らないところに来る時は、ちゃんと皮膚はガードして来ないと色んな意味で良くない。わかっているけど足は出してる方が涼しくて気分がいいから、半ズボンで来てしまった今回のハイキング。

 

いざ!

と、山に入って1番初めに気付いたのは、道に人の手入れがあったこと。草を刈ったような、あるいは落ち葉をかいたような感じがあって綺麗に道が出来ていた。ありがたい。これはすんなり行けるぞ。と、ニヤついた僕の姿はもう、ただの泥棒だった。

 

 

富士居山へ向かう

1つ目の「富士居山(読み方はわからない)」までの道は、程よく整備されていた。蜘蛛の巣はあるが、少し屈んだり1番通りやすそうな場所を選べばほとんど蜘蛛の巣にかかることはない。木の棒を持っておけばいざという時も安心。右手で木の棒を振り回し、左手には盾のように地図を装備して歩く。気分は世界を救う勇者そのものだ。言うなれば、ドロボウクエストってところではないだろうか。そんなこんなで割とあっさり富士居山に到着した。次は、ここから向山へ向かうので、山頂で地図や時間などを確認する。時間も道も確認しなくてもわかる場所でも地図が見たい。地図を見るのが好きみたいだ。時間は自分の体力を知るための手がかりに使う。

 

↑富士居山にて。景色を犠牲にして自分も写す。

 

 

事件発生!!

・・・それは富士居山に到着した時点で判明した。ここまでヒルのいそうな場所もあったが、まさかね。まあ大丈夫でしょ。暑さも少し落ち着いたし、もうヒルなんていないよね?と、勝手な言い訳を作って来たので足首から上は素足。その結果、一匹のヒルを足首に発見する。もう横幅は1センチぐらいあるだろうか。過去に何度か吸われている僕には、もう手遅れなのは見てすぐにわかった。

今回のように、気付けばいつの間にか吸われていたということからもわかるとおり、ヒルに血を吸われてる感覚というのはあまりわからないが、今ヒルに吸われていると知っていればさすがにわかる。僕はこの時、確実にヒルが血を吸っている違和感を足首に感じていた。ヒルは血を吸い始めてしまうと、引っ張って簡単に取れるような奴ではない。なので山登りをする人達は先人の方達の知恵をお借りして、ライターで炙ったり、塩をかけたり、人間が開発した "ヒル下がりのジョニー(自然界で生分解される材料だけで製造)" という親父ギャグみたいな名前の優秀なスプレーで対処したりするわけだ。そして勿論、先人の知恵を知っている山登りをするわたくし、こんなこともあろうかと思いながら、何も持って来なかった。どんまい俺・・と、とっさに自分を慰める。

 

足元でアホみたいな顔したヒルが呑気に血を吸っている姿を見てイラッとしたが、よくよく考えたら最近運動していない不健康極まりない俺様の血を吸うとは・・「君、今晩お腹痛くなるよ。」そう思うともはや可愛そうだからそのままにしてやることに。ヒルはだいたいの場合、いつの間にかやって来ていつの間にか皮膚に付く。そして血を吸うときに血が止まらなくなるように細工して速やかに吸血する。そして吸い終わるとポロっと勝手に取れていなくなる。そんな無責任な吸い方だから血は止まらず、それなりの血まみれになるが、今回はこれを踏まえてヒルを放置。気持ち悪いけどそのうちいなくなるだろうと楽観視することにした。

 

しかしヒルの何が嫌だって、このバレないように吸って逃げようとする根性。蚊だって羽音でバレて叩き潰されるかもしれないという究極のリスクを背負って吸いに来るのにコイツと来たら。マジでセコい。めっちゃダサい。バーカ、バーカ。

 

向山での重大な決断。

富士居山から先に進むと一気に人の手入れや気配がなくなった。足首にヒルを付けた僕は、いつの間にか道がなくなった登山道と思われる場所を歩く。木が道の真ん中に横たわっていたり、歩くのが面倒な道を進む。足を止めると、どこからともなく現れたヒルがシャクトリムシの様に靴から足首目掛けて登ってくる。だからどんな急坂でも歩き続けなくてはならない。止まったら奴にやられる。途中、辛すぎて少し気持ち悪くなるぐらいの急坂もあったが、あのアホみたいな顔したヒルにやられるのは悔しいので歩き続けた。

次第に何度も何度も頭をよぎってくる三択クイズ。

 

第1問! デーデッ♪「さあ、あなたならどーする?」

  1. 気合いで歩き続ける。
  2. 少しならヒルにやられても良い。
  3. 帰る。

↑面倒臭いとしか言いようがない道。

 

 

問題はそれだけではない。蜘蛛の巣が顔の高さにすごーーーく沢山ある。この蜘蛛の罠に人間のわたくし何度も引っかかる。本当に髪の毛に蜘蛛の巣がすごーーーく付いた。黄色と黒のあいつなんだけど、結構デカいやつだから糸も太い。ちきしょー!虫と同じ罠にかかるとはなんてダサいんだ俺! 

 

第2問! デーデッ♪「さあ、あなたならどーする?」

  1. 気合いで歩き続ける。
  2. 少しぐらい罠にかかっても良い。
  3. 帰る。

↑のんびり歩けない上り坂

 

 

止まると登ってくる足元のヒルと、人間の顔を罠にかけてくる蜘蛛のトラップ。歩きづらい道。苦しくてもペースを落とせない上り坂。こんな謎の生き地獄が今までの人生あっただろうか・・必死すぎて面倒さが伝わる写真を撮ることも忘れ、めちゃくちゃ謎の地獄に耐えて耐えて、ついに向山の山頂に到着。あー疲れた。すげー変な疲れ方した。かといって足を止めるとココでもヒルが上がって来る可能性は高いので、間髪入れずに最終問題。

 

第3問! デーデッ♪「さあ、あなたならどーする?」

  1. 気合いで歩き・・

「僕もう帰る!」

とまあ、身も心もズタズタにやられた弱虫の僕は小学生のような捨て台詞を吐き、目指していた大峰の手前で撤退となったわけです。行けなかった大峰にはヒルがいなくなるであろう冬になったら行こうと心に決めると猛ダッシュで河原まで戻り、ラジコンみたいな車を拾って半ベソで家に帰りましたとさ。

 

 

↑車に帰って来てるのにまだ止まらない。マジであの野郎・・。

 

裏山を歩いているかのような道はとても良かった。
宮ヶ瀬湖周りの山はヒルが多い。理由もあるんだけど言っていいのかわからないから今は言わないでおこう。そして仕事ならヒルは気にしないくせにプライベート歩くときだけやたらとやられたくないモードが発動する僕の心。この切り替えはなんなんでしょう?と自分でも思いつつ、今日も丹沢を歩く。
ちきしょう・・あいつの卑怯なやり方が気に食わないんだよなー。
なにはともあれ、明日も丹沢を歩く。
おしまい。
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